俳優と衣装… | 好事家、チャン・チンホイ

俳優と衣装…

京劇俳優にとって衣装は大事なモンだが、所詮は"道具"の過ぎない…様子。

子供の頃からの習慣というか、概念。
京劇界は分業されているんで、役者は芝居だけ。
衣装は、衣装部の人間が管理をするのが当りまえ…公演が終わると俳優は、衣装台の上にただ脱ぎっぱなし。

俳優は、自分では衣装は持たない。
学生時代は学校が発表会の度に着せてやる。
劇団員になれば劇団側が着せてやる。

自分で持つ必要は無い…それでもこだわる俳優はキチンと自分の寸法で設計で図案でオーダーする。
衣装は舞台上で自分を光らせてくれるモノ、大切。

自分で役を突き詰めると、柄やコダワリも自然に浮き出てくる。
劇団の衣装が、ソレに合わなければ自分で造るしかない。

でも好きカッテに変える事は出来ません、役柄によって色、形、図案、基本的な決り事がある、それに沿ってオリジナルオーダーをする。

…話はずれました。
そんなモンで衣装は持ってる、けどぉ管理が出来ない人が本当に多い。

日本で活躍する京劇俳優にいたっては、自分で所有するしかない、新しい芝居を造る度に、脇役のモノまで一式オーダーしなければないらない。
度重なると、一部屋潰して衣装倉庫になってる。
挙句には、自分で何を持っているか忘れてる人もいる、使う頻度の少ないモノはスッカリ忘れ去られている。

衣装も独りでは着れない…事ぁないけれど、キレイに着付けるのは難しい。
着付けも簡単に見えるが、あぁ~見えてチョットしたトコロで京劇風味がなくなる。
"道具"ってな概念だから着付けにもあまりこだわらない人が本当に多い…適当適当。
本当に一寸のトコロで変わる。

手が足りません…衣装の事を勉強してくれる人が増えるとイイです。